※2024年4月11日に更新
これまで医療機関やマーケティング会社を対象に、15年程、SaaS営業に従事してまいりました。リーダー、マネージャー、営業部長と、現場から管理職まで一通りの営業経験をしており、現在は営業フリーランスとしても活動しております。
今まさに、充実した営業マン人生を謳歌している営業マンもいらっしゃれば、今すぐにでも営業マンを辞めたいと心の底から願う営業マンもいるでしょう。
最近では、「営業マン不要論!」「営業マンはいらない!」など、書籍や有名なビジネスマンまでも発信しており、営業マンとして不安を煽られることもあるのではないでしょうか。
今回は、そのような「営業マンが考えるべき将来を見据えたキャリアプラン」について、まとめていきます。
果たして営業マンとしてキャリアを積んだ先には、どのような選択肢(キャリアプラン)があるのかをしっかりと把握し、自身の将来について考えてみる良いきっかけに繋がれれば幸いです。
- 日々の営業活動に行き詰まりを感じている人
- 営業マンとしてのキャリアについて悩んでいる人
- 今こそ何かを変えたいと思っている人
- どうにか今の現状を打開したいと模索している人
目次
営業マン不要論!営業マンは本当にいらないのか?
まことしやかに囁かれている「営業マン不要論」。
あなたも、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
今の時代、自宅にいながらも、ものの数分で商品やサービスを購入することができるようになり、営業マンとの関わりなく成立する時代になりつつあります。また、昨今の新型コロナに伴い、従来では取引先と顔を突き合わせた商談が一般的ではありましたが、最近ではオンラインを活用した商談に切り替わり、契約に至るまで電子契約を導入する企業すら出始めています。
また、Amazonや楽天に至っては、自身が購入した商品の履歴や時期を、AIが自動的に分析し、あなたへのおすすめの商品まで提案する時代になっています。
とは言え、営業マンの中には、
- 提案型の課題解決型営業はなくならない
- ニーズを把握していない顧客への営業はなくならない
- トラブル対応や顧客接点を重視する営業はなくならない
そのように反論する営業マンも一定数存在しているのも事実です。
長年営業活動に従事している私の持論としては、
力のない営業マンは限りなく不要になる
と感じております。
事実、2001年から2018年までの20年間で、営業マン数は約100万人程の営業マンが消滅したとされています。
ただ気になるのは、営業マンの数が大幅に減少しているものの、「営業・販売事務従事者」の数が大きく伸びている傾向が見て取れます。
営業マンは減っているにも関わらず、営業事務職が増えている。
それは、足で稼ぐ「外回り型営業マン」が減る一方で、セールステックと称される営業支援ツールを駆使する「内勤型営業マン」が増えているためであります。
営業マンは、今まさに、激動の時代に突入しています。
営業マンが歩んでいく主なキャリアパス
①営業マン(プレーヤー)
営業マンとして、主にセールスを全うする立場になります。現場のプレーヤーとしてのキャリアとなるため、日々の売上/受注目標に対して、営業成績を積み上げていきます。顧客との接点が最も多い立場にあるため、感謝のお言葉からトラブル対応まで最も身近に感じることができます。
また、近年の企業では、セールス(販売)をメインとする「フィールドセールス」以外に、アポイント取得をメインとする「インサイドセールス」と、営業のプロセスを切り分ける企業もIT企業を中心に増加傾向にあります。
②営業部門の管理職・マネジメント業務
営業マンのキャリアアップとして、最もスタンダードなのが「管理職」になります。これまで現場で培われた営業経験を元に、リーダー・マネージャー・営業部長など、現場の営業マンをマネジメントする立場になります。会社によっては、プレイイングマネージャーを担うケースも多く、現場とマネジメント業務の両方を担うこともございます。
③社内の別部門への配属
営業マンとして培われたスキルや経験を元に、社内の他部署へ異動し活躍するキャリアもございます。例えば、管理部門(人事、総務など)や商品開発・企画部門と、営業マンとして培われたコミュニケーション能力やヒアリング能力、課題解決力を基に、社内の別部門でキャリアを積み重ねることも可能です。
④営業マン(プレーヤー)もしくは営業管理職としての転職
これまでの営業経験や実績を元に他社への転職という選択肢がございます。営業マンとして培ってきた経験やスキルを他業種でも活かすことができるため、キャリアアップを求めて転職という選択肢もあります。しかし、転職を行う場合には、新しい環境に身を投じることになるため、相応の覚悟が必要です。
⑤独立・起業
営業マンとしてだけではなく、組織に所属せず独立・起業する選択肢もございます。営業フリーランスとして活躍される方もいらっしゃれば、営業コンサルタントとして起業する選択肢もございます。会社員時代のように安定した収入は約束されていませんが、その分会社員時代よりも数倍稼げる可能性も十分に秘めております。
⑥営業マン+副業(個人事業主)
営業マンとして、会社に従事しつつ副業として個人で事業(個人事業主)を始める選択肢もございます。独立や起業に比べ、会社員として安定した収入を得ながら、新しく副業に挑戦することができるため、リスクを最小限に抑えたい方にはかなりおすすめします。もちろん副業が軌道に乗った場合には、脱サラした上で独立・起業も夢ではありません。
「営業マン+副業(個人事業主)」が最強説!
それぞれ、順に見て行きましょう!
①安定した収入や各種保障が手厚いまま
今の生活水準を維持するためには、相応の収入が必要不可欠になります。会社員を継続することにより、安定的な収入や各種会社の保障を引き続き受けることができます。
- 給与、賞与、各種手当
- 各種社会保険
- 福利厚生
- 年末調整
②今の知識や人脈、経験を継続利用できる
新しい職種として活躍するためには、相応の知識や実務経験を要するため一定の時間がどうしても必要不可欠になります。営業マンを継続することにより、今の知識や人脈、実務経験をそのまま継続して活用することができます。
- 商材知識、業界知識
- 営業スキル、トークスクリプト、各種事務作業能力
- 人脈(社内、クライアント、パートナー)
③会社の信用、体験を継続利用できる
会社員を継続することにより、会社員としての信用力が備わるため、ローンやクレジットカードなどの恩恵を継続して受けることができます。また、「何をやっている人なのか」という本業における自身の肩書として活用することもできます。また、本業だからこそ経験可能な貴重な体験も、自身をアップデートする機会となります。
- 信用力(住宅ローン、マイカーローン、各種借り入れ)
- 対人信用力(肩書、自己紹介、安心感)
- 体験
④日々の出費を必要経費として取り扱いが可能
副業(個人事業主)の場合、業務に関連する出費において、必要経費として計上することができます。会社員の場合、居住を目的とする家賃については、手取り収入の中から捻出することを余儀なくされますが、副業(個人事業主)の場合には、業務内容や条件によりますが、必要経費として計上することもできます。
- 必要経費(家賃、パソコン等の機材、接待交際費、携帯電話代など)
⑤限りなくリスクを減らすことができる
独立や企業の場合、目の前の生活を維持するための売上を上げていくことが必要不可欠になります。また、うまく行くかどうかも全くわからない状態からのスタートとなるため、生活水準を下げざるを得ないケースや借金を抱えてしまう恐れも十分にあります。副業(個人事業主)の場合、本業での心理的安全性が保たれるために、今のお仕事の延長線上で低リスクからスタートすることができます。
- 日々の生活水準、借金
- 心理的安全性
- 倒産リスク
⑥視座を高められる・視野を広げられる
本業と副業(個人事業主)とでは、関わる人や立場が全く異なってくるため、視座を高めたり視野を広げることができます。自身を様々な角度からアップデートする機会に繋がります。
- 本業(従業員)と副業(個人事業主=経営者)
⑦会社への依存・執着を取り除ける選択肢を作れる
会社員一本の場合、業績悪化による急なクビ宣告をされたり、上司からパワハラまがいな圧力を受けたとしても、生活のために少なからず会社へ依存・執着することになります。そのような危機的状況から脱却し、自身の理想の働き方を実現する希望(選択肢)を作ることができます。
- 働き方の改善(お金、人、時間)
「営業マン+副業(個人事業主)」のデメリット
①めちゃくちゃ忙しい
イメージしてください。単純に今の本業とは別に、新たに副業を進めて行くことになるため、物理的に時間が足りなくなります。そのため、睡眠時間を削ることや日々の本業での非効率な業務を見直しながら少しずつ副業に割く時間を捻出することから始まります。
②本業がおろそかになる恐れがある
良くも悪くも、営業成績により大きな昇給や賞与が見込めない本業ともなると、従来よりも量や質をこなさなくていいやという心理が働き、本業をおろそかにしてしまいかねません。それにより、以前よりも営業成績が伸び悩んでしまったり、トラブルが生じるリスクもございます。最終的にトラブルの火消しに長い時間を割くようになるのであれば、本業はこれまでと同水準もしくは上の水準で成果を維持し続ける必要があります。
③会社にバレる危険性とその影響が孕んでいる
副業OKの会社であれば影響は少ないですが、副業禁止の会社の場合には、くれぐれも注意が必要となります。場合によっては、会社から圧力をかけられる恐れや周囲から冷ややかな目で見られることも想定されます。また、副業OKの会社であっても、一定のパフォーマンスを出せずにいると、副業のせいではないかと根も葉もない悪い評価を受けてしまう恐れもございます。
④短期間で成果を上げたい(楽したい)欲が出てくる
副業をする目的が「お金(金銭)」に偏りすぎてしまうと、短期間での成果を追い求めすぎてしまう恐れがございます。ビジネスにおいて、短期間での成果を追い求めることは非常に重要ではあるものの、自分の想定(期待値)と実際の結果が釣り合わない場合に、すぐに投げ出してしまうことにも直結するため、くれぐれもご注意ください。
⑤確定申告など考えなくてもよかったことを考える必要がある
会社員の場合、年末調整を会社が行ってくれるため、あまり意識をせずに生活する方も多いですが、一定の利益を上げられるようになると確定申告の必要性が出てきます。その際、今まで考えなくてもよかった事柄について、知識や作業が必要になってくるため、会社員としてのありがたみを感じる良い機会にもなります。
まとめ
今回は、「営業マンが考えるべき将来を見据えたキャリアプラン」について、まとめてみました。
まことしやかに囁かれている「営業マン不要論」。
時代の流れと共に、営業マンは、今まさに、激動の時代に突入しています。
また、営業マンとしての選択肢自体も多様化しており、自身の目標や働き方に応じて、自由に変えられる時代にもなりつつあります。
営業マンとしてのキャリアは、岐路に立たされております。
しかし、あなたのキャリアは、あなたが選択できる時代になっています。
あとは、あなたが決めて、行動を起こすだけなのです。
「今こそ何かを変えたい」という感情は、鮮度が命です!
何もやらなければ、何も変わらないだけなので、それもまた答えでしょう。
あなたの勇気ある行動を、陰ながら応援しております。